人工知能でデータマイニングのその先ー人工知能でデータを「解釈」する "robot science"の可能性
プラナリアの再生プロセスのモデリング*1を人工知能で解明するという趣旨の研究。
実験データを再現するような最適な遺伝子制御ネットワークモデルを探索。過去に知られていないモデルを発見したという。
文末にも書いてあるが、生物のような複雑系をモデリングするときに無数のパラメーターが存在するモデルを人工知能が返してきても、それは人間にとって解釈不能なのであまり意味のある研究ではない。この研究は、シンプルで人間でも解釈可能なモデル(本来優秀な科学者が経験や直感でみつけるようなシンプルな仮説や説明)を人工知能でも発見できたという点に非常に意義があると思う。
物事の本質というのはなにか?これはようするに世界というものが人間にとって複雑で情報が膨大すぎてよくわからないから、簡単に考えてみる、ということだ。つまり膨大な情報を整理して、ごく少ないキーとなる情報に置き換えて考えると頭がすっきりするということだ。なぜすっきりするかというと膨大な情報だと人間は理解できないけど、少ない情報に減らせば理解できるようになるからだ。うまく情報を減らせたとき、人間は物事の本質を掴んだ!とかいう気になる。
データマイニングするだけでなくデータの解釈まで推論できる人工知能なんてものがestablishされれば、それはSFで言うところのAIに限りなく近い存在だろう
*1:遺伝子制御ネットワークのモデリング