週刊スピリッツNo26 小林有悟氏作 アオアシ

クラブユースについて描いたサッカー漫画

少年漫画のようなタッチ・漫画表現を積極的に使用する((作者は月刊マガジンでファンタジー、料理ものと2度の連載(『てんまんアラカルト』,『 水の森』)))。

青年誌では若干鼻につくようなくどい少年漫画的表現だが、内容は青年誌むけの 人間ドラマ性が高いものになっている。 鼻につくといったが青年誌の中にこういう露骨な少年漫画的表現をする漫画家がいるのも悪くない。 毎週結構楽しく読んでいる。 今週号の展開も少年漫画の主人公が吐くようなセリフで、「ああ、この少年漫画な感じ、たまにはいなあ」と思わず思ってしまった。

ところでおすすめポイントとして、

「取材に基づいたリアリティのある描写」

                     ---「〈 編集者からのおすすめ情報 〉より」 http://www.shogakukan.co.jp/books/09186892

とあるがリアリティのある漫画として売り出すのには無理があるのではないかともう。これは絵も話も少年漫画的な表現を使用してるための弊害だろうか?一応原案協力者として専門家の監修が入っているようだが、リアリティを出すという意味では両者の特色をあまり活かしきれていないようの思える。少年漫画的な表現が得意な漫画家に、青年誌で通じる最低限のリアリティや説得力を付与すると言う意味では成功してるが、リアリティを積極的に売り出すほどには至っていない。リアリティのある作品を作る上で絵とどのような漫画表現(主人公の顔や緊迫感の出し方etc)を用いるかは極めて重要なファクターだ。別に上手くなくてもいいが仰々しい効果線やベタ、トーン表現はリアリティを出したいなら避けるべきだろう