マンガ翻訳における尊敬語問題と海賊版問題<散文的メモ>

「くん、さん、ちゃん」

人物につく敬称は英語にマンガを翻訳する上で大きな問題なようだ

英語でこれら敬称と対応する表現がないため、翻訳する際2つの選択を迫られる

消すか、それともそのまま残すかーー

当然、両方の選択肢にはメリットとデメリットの両方が存在する。

消してしまうと、人物関係やキャラクターとしての「記号的・象徴的メッセージ」をすべてそぎ落としてしまう.

マンガという文章量が少ない媒体の特性上、これらの敬称表現は

文字媒体とは別次元の圧縮された情報量を担っており、削除した場合,

そこからこぼれ落ちるものは小さくない.

しかし一方、そのまま残す場合は、新しい日本の漫画文化参入者にとって敷居をあげることになる。

twitterのマンガ翻訳家と海外のマンガファンの間で日本のマンガ翻訳において尊敬語をどのように取り扱うべきか

の大論争の結果、以下のようなアンケートまで行われている。

mangacomicsmanga.com

興味深いことに、どうやらこの論争はscan reader 即ち、本の正規版を入手せず違法なscan版のコミックを読む人たちが 正規翻訳版を買わない理由(言い訳)の一つになっているのではないかという論点から派生している

日本のポップカルチャーを真剣に海外輸出しようと考えてる人たちはこの問題を真剣に考えるべきかもしれない


p.s

下のリンクは手塚治虫と戦争の系譜で結構気合入った歴史年表がみれるのですが

いまいち、はてなブックマークがついてないので気が向いたら拡散してください

手塚治虫と戦争

p.s 2

ジョジョの「無駄無駄...」 をどう訳すべきか論争もおきてるようです。 長いので全部読んでから、軽くまとめて感想を書く予定 "MudaMudaMuda": A Jojo's Manga Translation No-no? (with images, tweets) · debaoki · Storify