neovimで:terminalを快適に移動する設定&設定ファイルの場所の注意
TL;DR
neovimは最近のリリースでデフォルトで読み込む設定ファイルの場所と名前を$HOME/.nvimrc
からXDG標準に変更した*1*2.従ってタイトルの目的を達成するには
"terminal window
tnoremap <C-w>h <C-><C-n><C-w>h
tnoremap <C-w>j <C-><C-n><C-w>j
tnoremap <C-w>k <C-><C-n><C-w>k
tnoremap <C-w>l <C-><C-n><C-w>l
を~/.config/nvim/init.vim
にファイルを作って書き込む必要がある.
(~/.nvimrc
じゃないことに注意)
詳細
はまった点と原因
:terminal
を快適に使うために上のような最低限のnvimrcをかいたけどうまく動かなかった.
原因はどうやら最新版のnvimは設定ファイルの置き場所と名前が変更されたからのようだ.これは過去のvimの慣習を大きく変更する重大な決断だろう. 起動時になんらかの警告などがないとこのような重大な変更に際しては混乱が生じるのではないだろうか?
neovim/nvim_from_vim.txt at 42047acb4f07c689936b051864c6b4448b1b6aa1 · ZyX-I/neovim · GitHub
Build and use neovim files · Issue #26 · neovim/neovim · GitHub
変更の理由は
a.) $HOME ディレクトリを汚くしない
b.) この変更が嫌ならsymlinkを使って簡単に対処できる.
c).新しい環境を試すのに便利
XDG標準とは
XDGディレクトリ:Linux/Unixにおけるデスクトップ環境における標準的なフォルダー構造を規定した仕様.
XDG Base Directory Specification
多くのLinux/Unixで標準のデスクトップ環境として採用されているGNOMEもこれに準拠している
Unix ライクのシステムでは、伝統的に、ユーザーごとのアプリケーションやユーザーのデータの保存方法の標準を欠いていました。結果として、そうしたデータは、ユーザーのホームディレクトリの"ドットファイル"という形で、アドホックに、一貫性もなく、問題の多い方法で保存されることが多くありました。 XDG Base Directory Specification に準拠
OS X
今のところLinuxと同じで~/.config/nvim
以下を使う
これには結構反対意見も多いが ...
Support XDG directory specification · Issue #78 · neovim/neovim · GitHub
今後,他の候補としては
~/Library/Preferences
とかか?
https://github.com/neovim/neovim/pull/3198#issuecomment-145234480
vim-devでの過去の議論
place all vim configs into config directory[unix] https://groups.google.com/forum/#!topic/vim_dev/zBSo5Xnno9Q
[PATCH] XDG Base Directory Specification support https://groups.google.com/forum/#!topic/vim_dev/ieoldm29ymM
追記 : 観測
結構、初めて使う人にとっては混乱の元担ってる模様. nvimのgithubを眺めてると割と頻繁に,nvimrcが認識されないことに関する質問が飛んでる
*1:https://github.com/neovim/neovim/wiki/Following-HEAD
*2:see :h vim-to-nvim, :h vim-differences
マンガ翻訳における尊敬語問題と海賊版問題<散文的メモ>
「くん、さん、ちゃん」
人物につく敬称は英語にマンガを翻訳する上で大きな問題なようだ
英語でこれら敬称と対応する表現がないため、翻訳する際2つの選択を迫られる
消すか、それともそのまま残すかーー
当然、両方の選択肢にはメリットとデメリットの両方が存在する。
消してしまうと、人物関係やキャラクターとしての「記号的・象徴的メッセージ」をすべてそぎ落としてしまう.
マンガという文章量が少ない媒体の特性上、これらの敬称表現は
文字媒体とは別次元の圧縮された情報量を担っており、削除した場合,
そこからこぼれ落ちるものは小さくない.
しかし一方、そのまま残す場合は、新しい日本の漫画文化参入者にとって敷居をあげることになる。
twitterのマンガ翻訳家と海外のマンガファンの間で日本のマンガ翻訳において尊敬語をどのように取り扱うべきか
の大論争の結果、以下のようなアンケートまで行われている。
興味深いことに、どうやらこの論争はscan reader 即ち、本の正規版を入手せず違法なscan版のコミックを読む人たちが 正規翻訳版を買わない理由(言い訳)の一つになっているのではないかという論点から派生している
.@LKK6144 Im gonna be blunt. Scan readers who say lack of honorifics is a deal-killer are just looking for an excuse to keep reading scans
— Deb Aoki (@debaoki) August 13, 2015
日本のポップカルチャーを真剣に海外輸出しようと考えてる人たちはこの問題を真剣に考えるべきかもしれない
p.s
下のリンクは手塚治虫と戦争の系譜で結構気合入った歴史年表がみれるのですが
いまいち、はてなブックマークがついてないので気が向いたら拡散してください
p.s 2
ジョジョの「無駄無駄...」 をどう訳すべきか論争もおきてるようです。 長いので全部読んでから、軽くまとめて感想を書く予定 "MudaMudaMuda": A Jojo's Manga Translation No-no? (with images, tweets) · debaoki · Storify
vimでmanを見る方法
vimrcに
runtime ftplugin/man.vim
とかけばいいだけ
:Man <your favourite man page>
で普通のman commandのように使える
素粒子分野で430ページの論文が投稿される。共著者にはフィールズ賞受賞者Edward Wittenも
先日物理学のプレプリント・サーバーarxivに430 pageを超える長大な論文が投稿された。
物理学の論文としてもちょっと考えられない長さでレビュー論文でもこの長さのものはみたことがない。 著者たちもさすがに長過ぎると考えてか、短いバージョンも用意しているが ...
[1506.04086] An Introduction To The Web-Based Formalism
それでも45ページ!!!
著者にはフィールズ賞受賞者Edward Wittenも含まれている。
Wittenの論文は長いことで有名でarxivで見る限り半数以上の論文が30ページを超えている。
それにしても長すぎでしょ...
ちなみにWittenは翌日79ページの単著論文を投稿したのだった ...
人工知能でデータマイニングのその先ー人工知能でデータを「解釈」する "robot science"の可能性
プラナリアの再生プロセスのモデリング*1を人工知能で解明するという趣旨の研究。
実験データを再現するような最適な遺伝子制御ネットワークモデルを探索。過去に知られていないモデルを発見したという。
文末にも書いてあるが、生物のような複雑系をモデリングするときに無数のパラメーターが存在するモデルを人工知能が返してきても、それは人間にとって解釈不能なのであまり意味のある研究ではない。この研究は、シンプルで人間でも解釈可能なモデル(本来優秀な科学者が経験や直感でみつけるようなシンプルな仮説や説明)を人工知能でも発見できたという点に非常に意義があると思う。
物事の本質というのはなにか?これはようするに世界というものが人間にとって複雑で情報が膨大すぎてよくわからないから、簡単に考えてみる、ということだ。つまり膨大な情報を整理して、ごく少ないキーとなる情報に置き換えて考えると頭がすっきりするということだ。なぜすっきりするかというと膨大な情報だと人間は理解できないけど、少ない情報に減らせば理解できるようになるからだ。うまく情報を減らせたとき、人間は物事の本質を掴んだ!とかいう気になる。
データマイニングするだけでなくデータの解釈まで推論できる人工知能なんてものがestablishされれば、それはSFで言うところのAIに限りなく近い存在だろう
*1:遺伝子制御ネットワークのモデリング
週刊スピリッツNo26 小林有悟氏作 アオアシ
クラブユースについて描いたサッカー漫画
少年漫画のようなタッチ・漫画表現を積極的に使用する((作者は月刊マガジンでファンタジー、料理ものと2度の連載(『てんまんアラカルト』,『 水の森』)))。
青年誌では若干鼻につくようなくどい少年漫画的表現だが、内容は青年誌むけの 人間ドラマ性が高いものになっている。 鼻につくといったが青年誌の中にこういう露骨な少年漫画的表現をする漫画家がいるのも悪くない。 毎週結構楽しく読んでいる。 今週号の展開も少年漫画の主人公が吐くようなセリフで、「ああ、この少年漫画な感じ、たまにはいなあ」と思わず思ってしまった。
ところでおすすめポイントとして、
「取材に基づいたリアリティのある描写」
---「〈 編集者からのおすすめ情報 〉より」 http://www.shogakukan.co.jp/books/09186892
とあるがリアリティのある漫画として売り出すのには無理があるのではないかともう。これは絵も話も少年漫画的な表現を使用してるための弊害だろうか?一応原案協力者として専門家の監修が入っているようだが、リアリティを出すという意味では両者の特色をあまり活かしきれていないようの思える。少年漫画的な表現が得意な漫画家に、青年誌で通じる最低限のリアリティや説得力を付与すると言う意味では成功してるが、リアリティを積極的に売り出すほどには至っていない。リアリティのある作品を作る上で絵とどのような漫画表現(主人公の顔や緊迫感の出し方etc)を用いるかは極めて重要なファクターだ。別に上手くなくてもいいが仰々しい効果線やベタ、トーン表現はリアリティを出したいなら避けるべきだろう
蟲師 外譚集 感想
収録作品
「歪む調べ」 熊倉隆敏
「滾る湯」 吉田基已
「海のちらちら」 芦奈野ひろし
「組木の洞」 今井哲也
「影踏み」 豊田徹也
熊倉隆敏先生
熊倉隆敏先生の出来はピカイチ。漆原先生と同時期にアフターヌーン誌上で活躍 していただけある。元々話の作りや趣向が似ているのではないかと推測。 今月号のアフタヌーンでも、寄生獣のトリビュートを書いており、これまた素晴らしい 仕事をしている。必見。
吉田基已先生
初めて知った漫画家。話はイマイチだし、蟲師の世界観を生かしきれてない。 但し夏の表現はウマイ。
芦奈野ひろし先生
いつもの感じ。ある意味期待通りの仕事。
今井哲也先生
蟲師のなかでも個人的にかなり印象に残った蟲を登場させてくれて満足。 現代的×蟲師の世界観の融合の試みが個人的に楽しめた。ああこういう感じになるんだと。 漆原先生が選択した時代感こそが蟲師のヒットの要因だと実感させてくれる。 (つまり、ある意味この作品はあまりうまく行ってないということだ。 舞台を現代にしてしまうと、蟲師という作品がまとう濃厚な神秘性を大いにそぎ落とす。 ちょっとアイディアが面白い妖怪ものみたいな作品になってしまう。)
豊田徹也先生
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